性能にこだわった家を考えている方は、この2社で迷うことも多いです。
今回はこの2社で迷っている方向けに、ヤマト住建と一条工務店はどこがどう違うのか、徹底比較します。
大手ハウスメーカー元店長の私が、各社ホームページを片っ端までチェックしてまとめました!
この記事での比較を見れば、どっちが自分好みの住宅会社か分かります。
- とにかく性能一択! → 一条工務店
- 性能はもちろん、意匠にもこだわりたい! → ヤマト住建
て感じです。
では1項目ずつ見ていきましょう。
※当記事は2022年6月1日現在各社HPで公開されている仕様を元に解説しています。
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断熱性能・気密性能
ヤマト住建と一条工務店で、断熱性能と気密性能の優劣はほぼありません。しいて言うなら、
- 断熱性特化 → 一条工務店
- 気密性特化 → ヤマト住建
て感じです。
2社の断熱材仕様と性能値について、詳しく解説します。
基礎断熱・床断熱
下からの熱に対する断熱方法は、各社で違います。
- ヤマト住建 → 基礎断熱
- 一条工務店 → 床断熱
断熱性能としては、施工方法の違いによって大きく差が出ることはありません。ただ、気密性を取るためには基礎断熱の方が有利です。
家の足元の性能は、気密性に有利な基礎断熱を採用しているヤマト住建の方を評価します。
壁断熱
壁は、2社ともダブル断熱を採用しています。
ダブル断熱の厚みの合計は、下記の通り。
- ヤマト住建 → 115mm
- 一条工務店 → 190mm
2社のウレタンフォームが完全に同一商品かどうかはわかりませんが、厚みだけで見ると一条工務店の方が圧倒的に分厚いです。
壁断熱は、一条工務店を評価します。
屋根断熱・天井断熱
上からの熱に対する断熱方法は、各社で違います。
- ヤマト住建 → 屋根断熱
- 一条工務店 → 天井断熱
断熱方法としては、一般的に屋根断熱のほうが優秀です。天井断熱は配管等の関係で一部欠損する場合がありますが、屋根断熱はそのリスクがないからです。
屋根部分で断熱されると、小屋裏スペースが天井断熱と比較して快適ということもメリット。
小屋裏スペースを有効活用したいなら、屋根断熱が必須!
断熱方法は、屋根断熱を採用しているヤマト住建に軍配が上がります。
屋根断熱・天井断熱の厚みについて
では、断熱材の厚みに関してはどうでしょうか。
- ヤマト住建 → 150mm
- 一条工務店 → 235mm
圧倒的に一条工務店が分厚いですね!
細かな品質は違えど、2社ともウレタンフォームを使用しています。ですから厚みに関しては一条工務店が優れていると考えます。
施工方法の違いと断熱材の厚みの優劣を相殺して、屋根断熱・天井断熱に関しては引き分けです。
サッシ
ヤマト住建と一条工務店のサッシは以下の通り。
とは言っても上記では分かりにくいので、表にまとめました。現代の家のサッシに必要な性能を、表の左に並べています。
どちらもトリプルサッシ。文句なしの高性能サッシです。
これ以上はないと言える仕様で、引き分けです。
Ua値
Ua値 = 外皮平均熱貫流率
簡単に言うと、この数値が低いほど外部へ熱が逃げにくいです。つまり、Ua値が低いほど冷暖房が効きやすいということです。
2社のUa値は、以下の通りです。
- ヤマト住建 → 0.28(W/㎡・K)
- 一条工務店 → 0.25(W/㎡・K)
この僅差だと恐らく体感で違いはないですが、数値としては一条工務店が優れています。
C値
C値 = 隙間相当面積(気密性)
簡単に言うと、この数値が低いほど家全体にある隙間が小さいです。空気が漏れにくくなるので、冷暖房が効きやすくなります。
2社のC値は、以下の通りです。
- ヤマト住建 → 0.5(c㎡/㎡)以下
- 一条工務店 → 0.59(c㎡/㎡) ※平均値
ヤマト住建のC値は0.5c㎡/㎡以下を謳っているのに対し、一条工務店は平均が0.59c㎡/㎡です。
気密性能はヤマト住建の方を評価します。
省エネシステム
ヤマト住建と一条工務店は、その性能を最大限活かした省エネシステムを備えています。2社の省エネシステムを確認します。
暖房方法
ヤマト住建と一条工務店では、暖房の考え方が違います。
- ヤマト住建 → エアコンで温める
- 一条工務店 → 床暖房で温める
一条工務店と言えば、全館床暖房ですよね。全館床暖房は洗面室やトイレなど、文字通り家中に床暖房が設置されています。
『エアコンの暖房は頭がボーッとするから苦手』 → 一条工務店が快適!
『設備が増えてメンテナンスが手間に感じる』 → 床暖房は必要ない。
正直、ヤマト住建や一条工務店ほどの性能であれば、エアコンのみで家中を快適な温度にすることが出来ます。
性能的にはどっちがどうとかはなく、考え方と好みの問題なのでドローです。
熱交換型換気システム
性能が高い住宅会社の家に、熱交換換気システムは必須です。冬は暖かく、夏は涼しい家なのに窓を開けて換気していては本末転倒ですからね。
ところで、ヤマト住建と一条工務店の熱交換換気システムの性能は以下の通り。
- ヤマト住建 → 外気0℃で室内温度20℃のとき、17℃の空気を取り込む
- 一条工務店 → 外気7℃で室内温度20℃のとき、18.7℃の空気を取り込む
一条工務店の熱交換換気システム『ロスガード』は熱交換率90%です。
ヤマト住建の熱交換型換気システムの熱交換率は、記載がないので計算すると85%でした。
(20℃-0℃)−(20℃−17℃)=17℃
(17℃÷20℃)×100=85%
冬季の熱交換率で比較すると、一条工務店の方が熱損失が少ないです。
熱交換型換気システムの性能は、一条工務店を評価します。
太陽光
2社とも、太陽光パネルを施工することは可能です。
ヤマト住建はメーカー品の太陽光を仕入れて、それを施工します。対して一条工務店は自社商品。自社製品は低コストかつ、屋根の端から端まで載せられるというメリットがあります。
太陽光は一条工務店が優勢です。
構造
断熱性能に特化しているイメージのヤマト住建と一条工務店。耐震性や耐風性に関わる構造に関してはどうでしょうか。
いくら性能が良くても、まずはそう簡単に壊れない構造があってこその性能です。
解説していきます!
基礎構造
基礎の仕様は以下の通り。
- ヤマト住建 → ベタ基礎
- 一条工務店 → 布基礎
一条工務店もベタ基礎を選択できますが、オプションです。
- 布基礎 → 家の下は地面。低コストだが、防蟻性(シロアリ)や耐震性が低い
- ベタ基礎 → 高コストだが耐震性が高く、不同沈下も起こりにくい
防蟻性、耐震性が高いベタ基礎を標準仕様にしているヤマト住建を評価します。
建築工法
- ヤマト住建 → 現場で柱を立てて、外からパネルを打ち付ける工法
- 一条工務店 → 工場の時点で壁の形にし、現場で壁同士をつなげる工法
施工方法こそ違いますが、構造としては大きく変わりません。
どちらも問題なく耐震等級3を取得できる、耐震性が高い工法です。
耐震等級
工法を知った上で、2社の耐震等級を比較します。
- ヤマト住建 → 耐震等級3相当
- 一条工務店 → 耐震等級3
ヤマト住建の『耐震等級3”相当“』がかなり気になります。
恐らく耐震等級3を取得できる家づくりなんですが、長期優良住宅や住宅性能表示という形で証明をとってないのでしょう。
やはりここは根拠がほしいところなので、一条工務店が優勢です。
制震ダンパー
制震を知る上でまず最初に理解したいのは、耐震との違いです。
- 耐震 → 揺れに耐える力
- 制震 → 揺れを制御する
優先順位は『耐震 > 制震』です。その上で、2社の制震ダンパーは以下の通り。
ヤマト住建は、耐震性能がしっかりある上で制震ダンパーがついています。この仕様であれば地震の際、家の揺れがかなり軽減できます。対して一条工務店は、制震ダンパーの採用はできません。
制震という面では、ヤマト住建が優勢です。
制震ダンパーであれば数十万円なので、お財布的にもヤマト住建の方が優しいです。
防蟻処理(シロアリ対策)
2社の防蟻処理方法は、以下の通り。
- ヤマト住建 → 散布式
- 一条工務店 → 注入式
施工方法こそ違いますが、持続性としてはどちらも施工後半永久的に効くもので、家を守るための防蟻処理剤としては優秀です。薬剤の安全性は、どちらも人体に大きな影響を与えるものではありません。
性能的に大きな差はないのでドローです。
個人的には『ホウ素系』でより人体に安全な、ヤマト住建の防蟻処理のほうが好みです。笑
仕様
- 家の外装
- 家の内装
- 間取りの自由度
ようするに、見た目や質感に関係してくる場所。
やっぱり、家はカッコいい方が良いですよね!
性能や構造の強さも大事ですが、家の見た目や使いやすさも重要です。それぞれ比較していきます。
外壁の性能・見た目
外壁の仕様は以下の通り。
- ヤマト住建 → 基本的にはサイディング
- 一条工務店 → タイル
タイルはほぼメンテナンスフリーなので、ランニングコストがかからないというメリットがあります。そしてタイルのデメリットである高価という部分を、一条工務店は自社生産という形で克服しています。
性能という面では、一条工務店が優勢です。
外壁材の見た目
タイルはサイディングと違い、縦に目地が入らないことで高級感とスッキリした印象が出せます。しかし一条工務店のタイルは、コーナー部分に縦の目地が入るんですよね。
これなら、ヤマト住建で施工するタイルの方がカッコいいです。その上、ヤマト住建なら最近流行りのガルバリウム鋼板などいろんな外壁材が楽しめます。
外壁の性能・見た目は、選択肢の多いヤマト住建が優勢です。
内装の性能・見た目
内装の仕様で2社が大きく違うのは、床材です。
- ヤマト住建 → 無垢フローリング
- 一条工務店 → 複合フローリング
無垢(むく)フローリングの特徴は下記の通り。
- 本物の木である
- 高級感がある
- 足触りが良い
- 傷付きやすい
- 湿度を吸放湿してくれる
対して、複合フローリングの特徴は下記の通り。
- 木に見せかけた樹脂製の床
- 傷付きにくい
- 耐水性がある
- 安っぽく見える
- 傷がついた場合は不格好
一長一短ありますね!
一条工務店は複合フローリングしか扱えないですが、ヤマト住建ならどちらも扱えます。
内装はヤマト住建の優勢です。
間取りの自由度
一条工務店の壁を組み合わせていく工法では、間取りは四角形ピースだけのパズルになります。つまり、間取りにこだわれません。対してヤマト住建は現場で柱から組み立てていくため、構造に支障のない範囲で100%自由な間取りをつくることが可能です。
家事動線や収納スペースなど、細かい部分にこだわりたい方はヤマト住建が良いですね。
総合結果
最後に、2社の『○』の数を集計しました。
『○』の数による優劣は、参考程度にしてください。この結果を踏まえて、それぞれの会社がどんな人にオススメかまとめました。
- 間取りの細部までこだわりたい
- 他の人と被らない家を建てたい
- 性能だけでなく、見た目にもこだわりたい
- とにかく一条工務店で建てたい
- 安定して高性能な住宅を建てたい
- 全館床暖房など、一条ならではの設備に魅力を感じる
皆さんはこれを見た上でどっちが気に入りましたか?私の完全主観では、一定以上の性能がある上で内装や外装、それから間取りを楽しめるヤマト住建が好きです。
ご自身でさらに詳しく比較したい場合は、各社資料を取り寄せて見比べてみるのも良いかもしれませんね。
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どうせ比較検討するなら、最初の選択肢は多いほうが良いですよね。もちろんヤマト住建と一条工務店の相談もできるので、まだしていない方は利用してみてください。
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