アイ工務店とヤマト住建。
どちらもよく聞く住宅会社名ですが、
何が違うの?
という疑問を持つ人もいるはず。
そこでこの記事では、アイ工務店とヤマト住建の性能や仕様を徹底比較しています。
大手ハウスメーカーの元店長の私が、プロ目線で解説します!
最後まで読めば、あなたと相性の良い住宅会社が分かります。
先に簡易的に言うと、
洗練されたデザインを優先したい! → アイ工務店
性能が高い家に住みたい!天然素材が好き! → ヤマト住建
て感じです。
では、比較していきます、
※ヤマト住建に関しては複数商品があります。今回は最上位商品、エネージュUWの標準仕様とアイ工務店の標準仕様で比較します。
断熱性能・気密性能
性能はヤマト住建が優勢です。
日本の住宅を『世界基準』に
というキャッチコピーのもと、性能にかなり力を入れているんですよね。
中でも断熱材仕様に関しては、他社を圧倒しています。
アイ工務店との比較で、見ていきましょう。
断熱材
アイ工務店とヤマト住建の断熱仕様は以下の通り。
と言っても見にくいので、分かりやすく表にまとめると下記の感じ。
厚みで比較するなら、
床/基礎 → ヤマト住建
壁 → ヤマト住建
屋根 → アイ工務店
て感じです。
では、断熱材の性能はどうか。比較します。
断熱材の性能
ウレタンフォームにも、種類があります。
アイ工務店のウレタンフォーム → ダルトフォーム
ヤマト住建のウレタンフォーム → アキレスボード
ヤマト住建のアキレスボードはアイ工務店のダルトフォームの2/3しか熱を通しません。
さらにヤマト住建は基礎断熱。
厚みも性能も優勢であるヤマト住建を評価します。
サッシ
アイ工務店とヤマト住建のサッシ仕様は下記の通り。
これだけだと分かりにくいので、表にまとめました。
現代の家のサッシに必要な性能を、表の左に並べています。
パッと見で、ヤマト住建のサッシの方が優れていることが分かります。
もっと言うなら、ヤマト住建はペアガラスより優れたトリプルガラスです。
サッシ性能は、ヤマト住建を評価します。
Ua値・C値
さきほど解説した断熱仕様が、この数値を左右します。
アイ工務店とヤマト住建のUa値・C値は以下の通り。
個別に解説します。
Ua値
Ua値 = 外皮平均熱貫流率
この数値が低いほど外部へ熱が逃げにくいです。
冷暖房が効きやすく、省エネなお家になります。
アイ工務店とヤマト住建のUa値は以下の通り。
アイ工務店 → 0.46(W/㎡・K)
ヤマト住建 → 0.28(W/㎡・K)
ヤマト住建のUa値はアイ工務店を大きく上回る性能です。
C値
C値 = 隙間相当面積(気密性)
この数値が低いほど家全体にある隙間が小さいです。
空気が漏れにくくなるので、冷暖房が効きやすくなります。
アイ工務店とヤマト住建のC値は以下の通り。
アイ工務店 → 0.4(c㎡/㎡)
ヤマト住建 → 0.5(c㎡/㎡)以下
C値はアイ工務店の方が良いですね。
性能値全体的な評価としては、ドローとします。
システム
アイ工務店とヤマト住建は、お互いコンセプトを持った家づくりをしています。
考え方が違えば家づくりの方針も変わり、家に搭載するシステムも変わります。
それぞれの家のシステムを確認します。
熱交換型換気システム
現代の家は、窓を開けて換気するという考え方ではありません。
せっかく冷やしたり温めたりした空気を逃さないよう、機械で換気します。
ところで、アイ工務店とヤマト住建の熱交換型換気システムの性能は以下の通り。
アイ工務店 → 熱交換率75%
ヤマト住建 → 熱交換率85%
ヤマト住建の熱交換型換気システムの熱交換率は記載がないですが、計算すると以下の通り。
(20℃-0℃)−(20℃−17℃)=17℃
(17℃÷20℃)×100=85%
熱交換率が高いほど換気での熱損失が少なく、エアコンも省エネ化出来ます。
つまり、熱交換換気システムはヤマト住建の方が性能が高いです。
太陽光
電気代上昇に伴って、太陽光パネルの需要が増えてきています。
太陽光の情報は、2社ともホームページに記載がありませんでした。
どちらの会社も、太陽光を採用することは出来ます。
標準仕様には入ってないということですね。
建築工法
- 耐震性
- 耐風性
- 耐久性
など、家の強度を左右する建築工法。
家の寿命に関わる部なので、細かく見ていきます。
基礎構造
家の荷重を地面に伝える、重大な役割を果たす基礎。
アイ工務店とヤマト住建の基礎構造は下記の通り。
アイ工務店 → ベタ基礎
ヤマト住建 → ベタ基礎
2社ともベタ基礎を採用しています。
ベタ基礎は家の下全面が鉄筋とコンクリートで覆われており、一体で家を支えます。
耐震性と防蟻性(シロアリ)に優れています。
ベタ基礎は文句なしの仕様です。
建築構造
建物の骨組みとなる建築構造。
アイ工務店とヤマト住建は、とても良く似た構造をしています。
どちらの会社も、木材を金物で接合します。
従来からある、木材を凸と凹に加工して接続する方法よりも強度が強く、耐震性に優れています。
耐力壁
金物で接合した木の骨組みの周りに、耐力壁というパネルを取り付けます。
これにより、耐震性や耐風性がさらに向上します。
この工法は、アイ工務店もヤマト住建も同様です。
建築構造は2社とも同等で、大きな差はありません。
防蟻処理(シロアリ対策)
どれだけ強い構造でも、シロアリに食べられてしまったら意味がありません。
アイ工務店とヤマト住建の防蟻処理は以下の通り。
- アイ工務店 → 基礎下に防湿・防蟻シートを敷くことにより、物理的にシロアリの侵入を防いでいる
- ヤマト住建 → ホウ酸系木材保存剤にてシロアリから木を守っている
ヤマト住建の防蟻処理剤はエコボロンPROという商品です。
- 人体にほぼ無害
- 半永久的に効果がある
というメリットがあります。
半永久的な効果 = メンテナンス費がかからない!
アイ工務店を検討の方は、実際に展示場に足を運んで確認することをオススメします。
ジャッジは引き分けとします。
耐震等級
構造体の強さは、耐震等級という指標で明らかになります。
- アイ工務店 → 耐震等級3相当
- ヤマト住建 → 耐震等級3相当
どちらも、耐震等級3”相当”です。
耐震等級3”相当”は、耐震等級3と同程度の強度はありますが認定を受けていません。
強いて言うと、アイ工務店は自社の耐震設計診断システムにてチェックされています。
耐震等級については、アイ工務店の方が信頼できますね。
制震ダンパー
アイ工務店とヤマト住建が採用している制震ダンパーは下記の通り。
- アイ工務店 → MIRAIE ゴム製
- ヤマト住建 → evoltz オイル製
性質は違うダンパーですが、どちらも定評がある制震ダンパーです。
仕様
- 家の外装
- 家の内装
- 間取りの自由度
つまり、家の見た目や質感に関する部分です。
外壁材
アイ工務店とヤマト住建の外壁仕様は下記の通り。
- アイ工務店 → サイディング(約30年)
- ヤマト住建 → サイディング(約30年)
※()内はメンテナンス時期です。
どちらの会社も、ニチハのフュージェプレミアムというサイディングを標準で採用しています。
塗装の変色・褐色について30年保証があり品質が高く、コスパも良い商品です。
ニチハの外壁は下記の感じ。
カッコいいですよね!
どちらの会社も同じ商品を採用しているので、優劣はないです。
屋根材
アイ工務店とヤマト住建の屋根材仕様は以下の通り。
- アイ工務店 → 瓦
- ヤマト住建 → スレート屋根
それぞれのメンテナンス頻度は以下の通り。
- 瓦 → 基本的には不要
- スレート屋根 → 20年〜30年に1度必要
耐久性の高い瓦を標準仕様にしているアイ工務店の方が魅力的ですね。
外観
先ほど解説した壁材と屋根材を使用した外観が下記です。
アイ工務店はデザインに定評があるだけに、迫力があってカッコいいですね。
ヤマト住建は上記以外のモデルハウスでも凸凹した外観が多く、好みが分かれる見た目です。
主観が混じってるかもしれませんが、デザイン性が高いのはアイ工務店です。
内装
内装は家にいる間、常に見ることになります。
居心地を左右するので、気にしたい部分です。
見比べるとアイ工務店もヤマト住建も、
- 木の温もりがある
- 窓から上手に光を取り入れている
- 空間の使い方が工夫されている
という特徴があり、居心地の良い内装になっています。
2社とも比較しようのない、素敵な内装です。
間取り
アイ工務店もヤマト住建も、
現場で柱と梁を組み合わせて建築する在来軸組工法
がベースの建築です。
この建築工法は、あらゆる工法の中で間取りに対する制約が一番少ないです。
つまり完全な100%注文住宅を実現できるので、どちらの住宅会社で建築しても思い通りの間取りを描けます。
保証とアフターサービス
家は建てた後が本番です。
不具合があった際の対応の良さ、定期点検は住んでいる間の安心感に繋がります。
下記が、アイ工務店とヤマト住建の保証とアフターサービスです。
保証に関してはアイ工務店もヤマト住建も、基本的には20年です。
有償メンテナンス等をすることにより、最長30年まで延ばせます。
定期点検について
定期点検のペースを比較しやすいよう、表にしました。
- アイ工務店 → 8回 25年目まで
- ヤマト住建 → 5回 20年目まで
保証は同等でしたが、定期点検を比較するとアイ工務店の方が優秀です。
『家族に愛を、住まいにアイを』がキャッチコピーなだけあります。
総合
最後に、2社の『○』の数を集計しました。
アイ工務店は、平均的に良く出来た家です。
デザイン力には、特化している印象を受けました。
ヤマト住建は、高性能で健康を考えてくれている家づくりです。
判断基準としては、
- 性能は少し妥協しても、オシャレな家を建てたい → アイ工務店
- 性能面を一切妥協したくない → ヤマト住建
って感じです。
皆さんはこれを見た上でどっちが気に入りましたか?
私の完全主観では、一定以上の性能がある上で内装や外装が洗練されたアイ工務店がお気に入りです。
さらに詳しく知りたい方へ
さらに詳しく知りたい!
その場合は実際に展示場を見に行き、営業マンから直接話を聞くのが早いです。
全てに『なるほど』とうなずいていては、いいカモになってしまいます。
そうならないためにはまず
- 資料請求をして勉強する
- 相談カウンターに行って勉強する
といった方法がオススメです。
ただ資料請求にもコツがあって、下手にすると営業電話の嵐になります。
このあたりはまた解説記事を執筆しますね!